ドル、上値の重さを確認へ

今週の外国為替相場は、ドルの上値の重さを
確認する展開が継続することになりそうです。

前週末発表された米雇用統計では、失業率は
改善されましたが、非農業部門の雇用者や
時間当たり賃金が予想を下回りました。

ただ、米雇用の改善はなお継続している
との見方が支配的となっており、年内
あと1回の利上げは既定路線と指摘する声が
支配的となっています。

こうした動きを睨んで米長期金利は上昇傾向を
見せており、これがドルを支える
大きな要因となっていました。

しかし、115円に近付く場面では、
ポジション調整がらみのドル売りが
目立っており、114円台にあると言われる
抵抗線をドル買いが突き破るのか否かが、
焦点になっていると思います。

とりあえず、一度目のドル買いでは
この抵抗線を抜けることには失敗しましたが、
長期金利の上昇や年内に予想される
米利上げを材料にしたドル買いが何度も
出てくるのではないかとみています。

ただ、米中間選挙の投票を控える中で、
トランプ政権の弱点が次々に浮上している
ことも事実で、これらの材料を睨んで
ドル買いが弱まる可能性もあると
考えています。

また、米長期金利の上昇は、米株価に
悪影響を与えていることも事実で、
米金融当局が金利の上昇をコントロール
できているのか否かも、為替市場に
大きな影響を与えるのではないかと
思っています。

この中、欧州情勢も不透明材料です。

英国のユーロからの離脱を巡る不透明感や
イタリアの財政問題など、欧州での材料が
為替市場に影響を与え始めています。

こうした材料が、クローズアップされる
ようなことになれば、ユーロ発の材料が
為替市場の混迷につながるかも知れません。

さらに、米中、米朝の問題は引き続き
意識する必要があるかと思いますが、
今は一休みの状況とみています。

トランプ大統領が突拍子もないことを
発信しない限りは、為替市場で大きく
材料視されることはないと考えています。

予想レンジは、
ドル円が108.20〜115.20円、
ユーロ円は126.20〜133.20円、
英ポンド円は146.20〜152.20円、
ドル円が86.20〜82.20円。