ドル、下値意識も

今週の為替相場は、ドルの下値を
意識する動きが出てくる可能性が出てきました。

米FRB当局者が世界経済の成長について
慎重な発言を行ったことや、引き上げが
続いている米金利について、中立金利と
みなす水準に近付いているなど、これまでの
利上げ継続路線に変化が出てくる可能性が
浮上しています。

FRBがこれまで考えられていたよりも
早い時期に利上げサイクルを終了させる
可能性が出てきたとみられ、ドルは
軟調な動きを見せました。

また、英国のEUからの離脱合意を受けて
上昇していたユーロや英ポンドが、
英国で閣僚が次々と自認していることを
受けて、英ポンドが急落し、こうした動きも
英国のEU離脱に対する不安感に広がっています。

これまで利上げ一辺倒だった米国も、
中立政策を模索可能性が出ていることで、
ドル上昇にも陰りが出ていることは間違いなく、
12月は利上げが実施されても、その先には
中立政策に戻す可能性があることを市場は
先取りするものと思います。

もちろん、実際に利上げ行われることで、
ドルの下値にも限りがあると考えます。

その先の中立政策を先取りすれば、
ドルを買って安心というわけにはいかないと
思います。

欧州では、英国のEU離脱を巡って、
もう一波乱も二波乱もあるのではないかと
考えます。

ドル、欧州通貨に不安感がある中で、
相対的に優位な地位にあるのは円
ということになり、思わぬ円高と
なることには注意が必要かと思います。

引き続き、三極の材料を睨みながら、
じっくりと見極めていきたいと考えます。

予想レンジは、
ドル円は108.20〜114.20円、
ユーロ円が124.20〜132.20円、
英ポンド円が138.20〜146.20円、
豪ドル円が78.20〜84.20円。