ドルの上昇を見極めへ

今週の外国為替相場は、ドルの上昇余力を見極める展開が予想されます。

米中貿易摩擦が米中双方の譲歩によって、何らかの解決に近づいている、そんな見方からドルを買い戻す動きが強まりました。

また、停止されていた米朝首脳会談も再開の見通しが強まっています。

これまで、北朝鮮米朝会談の約束を守らなかったことで、トランプ大統領は金委員長を放置してきましたが、米国の政府機関閉鎖が長期間にわたる可能性が強まったことや、ロシアの米選挙の介入の可能性が強まる中で、トランプ大統領の側近にも捜査の手が近づいていることが明らかになりました。

トランプ大統領としては、国内の危機を外すためにも、北朝鮮と中国を餌にして、危機からの脱出を試みている、そんな感じがします。

これまで、米中貿易問題で売られていたドルも、もしかしたら米中貿易問題が解決するのではないかとの思惑が広がる中で、ドルを買い戻す動きが強まり、それが110円に近づくドル買いとなったとみています。

一方、欧州では、英国のEUからの離脱で、EUからの離脱案が英議会で否決されました。

当初は、合意なき離脱となるとのマイナスイメージから英ポンドやユーロは大きく売られる動きを見せました。

しかし、メイ内閣に対する不信任案が否決されると、これまでのマイナスイメージが一気に払拭し、英ポンド、ユーロ買いが強まる展開に転換しました。

もちろん、将来の英国のEU離脱で、ひと悶着も、ふた悶着もあり、EU離脱を巡って金融市場に悪影響を与えることが予想されます。

確実に、3月29日がその最終期限となるのですが、それまでは不安定な動きがみられるかも知れませんが、一方的に英ポンドやユーロが売られることは少ないのではないでしょうか。

売られたら買い戻される、そんな動きを繰り返しながら、3月29日を迎えるのではないか、そんな思いがしています。

予想レンジは、ドル円が106.20〜112.20円、ユーロ円が122.20〜128.20円、英ポンド円が137.20〜143.20円、豪ドル円が74.20〜80.20円。