ドル、強保合いを継続か

ドル、強保合いを継続か
今週の為替相場では、ドル円相場は110円前後で推移しているドルが強保合いを継続する展開が予想されます。

110円台で落ち着きを見せなかったものの、110円に近い水準で越週したことを考えると、ドル買いの地合いは継続しているとの見方が出来るようです。

依然として米国の経済指標は強いことが、その背景にとしてあるのではないかと考えています。

確かに国内的には、ようやく解決したとはいえ、米国の一部政府機関の閉鎖問題の余波が残っていることなど、トランプ大統領の無理な主張が経済面でも悪影響を見せていることが明らかになるなど、何か材料が出るたびに、ドルの弱さが意識されるものと考えています。

この中、トランプ大統領は米中貿易問題、米朝首脳会議など、国際的な問題を解決することで、その力を見せています。

米中貿易問題では、関係者の会合が何度も繰り返されていることで、米中貿易問題は解決に向けて進んでいるとの声が上がっていますが、実態は、非常に厳しい状況にあるとの見方が出始めています。

つまり、トランプ大統領ツイッターで書いているように、順調には進んでいないことが、明らかになりつつあります。

もちろん、中国は米国からの関税強化策が打ち出されれば、中国経済に悪影響を与えるので、何とか、関税強化策を回避したいと考えているようです。

それが米国に対する譲歩を見せている感じになっていますが、将来的には、中国が貿易戦争で勝利する道を作っている、そんな印象もあります。

今、目の前に勝利することをトランプ大統領は望んでいますが、中国は筋道を立てて、国際的に中国が勝利する方策を立てているというわけです。

中国の掌にトランプ大統領が乗らされて、踊らされているだけとの辛辣な見方も出ています。

また、北朝鮮との問題も同様です。

米国は非核化で、北朝鮮に対して重い決断を突き付けましたが、中国が後ろ盾になっていることから、米国の非核化要求も、交わされる可能性が強くなっています。

北朝鮮は、米国からは譲歩を引き出すものの、自身は何も譲らない、そんな姿勢を見せています。

これまでの米国大統領が嵌った誤謬を、再びトランプ大統領は繰り返そうとしています。

米国のような新興国では、さらにはトランプ大統領の得意とするビジネスでは、北朝鮮や中国とはまともには戦えないということです。

これは歴代の米大統領は痛感しているのですが、ビジネスマンとして成功したと考えているトランプ大統領には通じないのかもしれません。

同じ過ちを米国は繰り返そうとしている、米朝首脳会談が近づく中で、国際金融市場は米国の弱さを意識する可能性があるのかもしれません。

欧州では、引き続き英国のEUからの離脱問題が大きな焦点になりそうです。

北アイルランドの一部政党が、英国のメイ首相のEUからの離脱合意案に賛意を示したことで、英ポンドが上昇する動きが見られましたが、これもEUと英国との合意に対する見方がどのような変化を見せるのか否かが大きな焦点になりそうです。

3月29日の英国のEUからの離脱まで、どのような動きがあるのか、注視する必要があるかと思います。

予想レンジは、ドル円が106.20〜111.20円、ユーロ円は120.20〜126.20円、英ポンド円が138.20〜146.20円、豪ドル円が75.20〜81.20円。