ドル売り先行か

今週の為替相場は、ドル売り先行の
展開が予想されます。

債務上限引き上げ問題が難航しています。

政府と議会の交渉が最終段階に入っているのですが、
どうやら交渉決裂が意識される動きとなっています。

ガイトナー財務長官は、
先にFRB議長とNY連銀総裁と
債務上限引き上げ協議が不調に
終わった場合に備えて会合を持ちました。

8月2日が期限と言われているなかで、
政府と議会の交渉は、
まさに大きな壁に差し掛かっているようです。

格付け会社は、こうした動きを睨んで、
米国債の格下げに言及するなど、
米国債の格下げが現実味を帯びてきました。

市場は、こうした動きを睨んで、
ドル売りに傾き始めています。

また、欧州では、懸案だった
ギリシャへの追加支援が決まりました。

これまでは、米国と欧州の弱い材利を
意識してきたのですが、まず欧州が
弱者から離脱したという感じになり、
ドルにとってはマイナス材料になりそうです。

ただ、ユーロも万全ではありません。

ギリシャへの追加支援は決まりましたが、
問題の解決には繋がらないことは明らかです。

ギリシャは一時的にデフォルトに陥る可能性もあり、
また、今回の支援も時間を先送りしただけで、
ギリシャ痛みを伴う改革を行えば、
危機の解消に繋がるのですが、その答えを
出していないのが現状だと思います。

足元では、ギリシャ危機は遠退いたと見られていますが、
実は危機を先送りしているということだと考えています。

さらに、ノルウェーでのテロの行方が気掛かりです。

欧州では、極右勢力が伸長しています。

経済の低迷や移民の増加など、ナショナリズム
台頭する素地があるなかでのノルウェーでのテロが、
欧州の政治状況や経済状況に与える悪影響が
どんな形で顕在化するか、注視したいと思います。

こうした中、日本では原発事故の影響が拡大しています。

福島県だけではなく、全国に被害が広がる勢いです。

この経済的な影響を考えると、
円を積極的な理由はないのですが、
ドル安要因に比重が掛かるなかで、
円は相対評価で上昇すると見ています。

予想レンジは、
ドル円が75.20〜80.20円、
ユーロ円が108.20〜113.20円、
英ポンド円が124.20〜130.20円、
ドル円が80.20〜86.20円。