欧州の銀行、ドル資金調達難に直面していない=独連銀理事

ドイツ連邦銀行のドンブレト理事は24日、ニューヨークで講演し、
欧州の金融機関は金融危機時のようなドル資金調達難には
直面していない、との認識を示した。

同理事は「われわれは2008年にみられたような状況から
かけ離れている」と指摘し「流動性はまずレポによる
資金供給など様々な方法でカバーできる。その次に、
必要なら、欧州中央銀行(ECB)は米連邦準備理事会(FRB)との
スワップ協定に基づき、ボトルネックを緩和する用意がある」と語った。

また、ドイツも含め欧州の金融機関は2011年に必要な資金の大半を、
既に資本市場から調達している、と述べた。

欧州の金融機関がドル資金調達難に直面しているとの懸念は、
ECBが24日に行った期間7日のドル供給オペに応札する
銀行がなかったことから、若干和らいだ。

同理事は、ドイツや他のユーロ圏諸国が最近の債務問題を受け
景気後退(リセッション)に陥ることはない、と強調。

ただ、経済成長率はここ数四半期の
水準を下回る、との見方を示した。

ユーロ圏の成長見通しについて「現時点で強弱入り混じった
兆候がみられる」と述べ「全般的にみて、ユーロ圏経済は
緩かなペースだが従来予想通り、年内引き続き拡大する」と述べた。

一方、ドイツ連銀が一貫して反対しているECBによる
国債買い入れについて「金融政策と財政政策を明確に
分けることは非常に重要なことで、このふたつの間の
境界線があやふやになった時、早急に境界線を
引き直す必要がある」と述べ、反対する考えを間接的に示した。