米国格下げで株価が急落したとの見方は「あまりに単純」=S&P

格付け機関スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の
グローバル・ソブリン格付け部門ヘッドのデビッド・ビアーズ氏は26日、
S&Pが米国の格付けを引き下げる前から世界的に株式市場の
センチメントが悪化していた、との認識を示した。

同氏は、当地で行われたメディア討論会で、S&Pによる
米国の格下げが世界的な市場の動揺につながったとの見方について、
「S&Pの(米国)格下げでそれ(株価下落)が起きたというのは、
あまりに単純な見方だ」と述べた。

S&Pが8月5日に米国の格付けを最上級の「AAA」から
引き下げたことを受け、すでに欧州の債務問題や
米国の景気後退(リセッション)懸念で軟調だった
世界の株式市場の下げに拍車がかかっていた。

先進国全般的な格付けに関しては「われわれは各国政府が協力し、
短期的、長期的な問題に対処できるかどうかを見守っていく」と述べた。

アジアのソブリン格付けについては、見通しは安定しているが、
若干のダウンサイドリスクがあると指摘した。

S&Pのマネジングディレクター、エレナ・オコロチェンコ氏は、
特にシンガポール、韓国、台湾など、西側諸国への輸出比率が高い
大半のアジア諸国は、欧米経済の鈍化による悪影響を受けやすいだろう、
との見方を示した。