独議会がEFSF拡充案を大差で可決、連立与党で過半数確保

ドイツ連邦議会(下院)は29日、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の
機能拡充法案を賛成523、反対85、棄権3の賛成多数で可決した。

野党の支持に頼らず連立与党内の賛成票で可決にこぎつけ、
メルケル首相は就任以来の試練を乗り越えた。

予想以上の賛成票が集まったことで、市場では
債務危機の解決に向けた独政府の決意をめぐり安ど感が広がった。

連立与党議員の賛成票は315と、連立与党のみでの
過半数確保に必要だった311票を上回った。

連立与党内の反対派説得で中心的役割を果たした
キリスト教民主同盟(CDU)のアルトマイヤー議員は、
法案可決について「メルケル首相に対する強い支持の表明だ」と述べた。

法案には野党の社会民主党SPD)と緑の党が支持を表明していたため、
可決は確実視されていたが、両党の賛成票に頼れば、
ユーロ圏債務危機への対応でメルケル首相の手腕と
権限が大きく損なわれる恐れがあった。

可決のニュースを受けて欧州市場では
ユーロと株式が小幅上昇、独連邦債が下落した。

ただ、アナリストによると、市場は欧州当局者が
危機の解決に向けてより包括的な対応を打ち出すことを求めている。