伊首相、スマギECB専務理事に早期辞任を要請
イタリアのベルルスコーニ首相は23日、
欧州中央銀行(ECB)のビーニ・スマギ専務理事に対し、
フランスとイタリアの関係がこれ以上冷え込むのを防ぐため、
早期に辞任するよう求めた。
ただ、自らに強制力がないことも認めた。
ベルルスコーニ首相は、フランスのサルコジ大統領が
同日欧州連合(EU)首脳会議の席で、6人のメンバーからなる
役員会の席をフランス人に譲るためビーニ・スマギ専務理事が
辞任することがフランスとイタリアの政府間で
合意されているにもかかわらず、いまだに辞任が
実現していないと不満をあらわにしたと説明。
会議の後記者団に「ビーニ・スマギ専務理事は、
自らがイタリアとフランスの関係悪化の火種に
なってはいけないことを自覚し、両国間の合意に基づき
年内に辞任すると確信している」と語った。
サルコジ大統領は4月、合意に基づき、役員メンバーに
フランス人が残れるよう、ビーニ・スマギ専務理事が
辞任することを条件に、11月にイタリア中央銀行の
ドラギ総裁がトリシェECB総裁の後任となることを支持した。
ビーニ・スマギ専務理事の任期は2013年までで、
同理事は辞任の強制はECBの独立性に対する攻撃であり、
同理事はECBの支持を得ているとしている。
ベルルスコーニ首相は「われわれは、フランスとイタリアの間に
問題をもたらさないよう、彼の責任感に訴えているが、
彼は関心を示さない」と述べた。