インド中銀が利上げ、引き締めサイクル打ち止めの可能性示唆

インド準備銀行(中央銀行RBI)は25日、レポレートと
リバースレポレートを25ベーシスポイント(bp)引き上げ、
それぞれ8.50%、7.50%にすると発表した。
現金準備率は7.0%に据え置いた。

政策金利の引き上げは
2010年初め以来13回目。

ただ中銀は、高止まりしているインフレ率が
鈍化し始めると予想し、追加利上げは見送る可能性を示した。

度重なる利上げにもかかわらず、インドのインフレ率は
9月まで10カ月連続で前年比9%台に高止まりし、
BRIC(ブラジル、中国、ロシア)のなかで最も
高水準となっているが、経済成長率は4〜7月期が
前年比プラス7.7%と7四半期ぶりの低い伸びとなり、
鉱工業生産の伸び率も7月、8月と前年比5%を
下回る水準にとどまっている。

中銀は今回、今年度(2012年3月期)の成長率予測を
8%から7.7%に引き下げる一方、インフレ指標としている
卸売物価指数(WPI)上昇率については、年度末時点で
7%に鈍化するとの予測を据え置いた。

声明は、12月の政策見直しで金利を調整する可能性は
「比較的低い」とした上で、「インフレの動向が
予測と一致すれば、追加利上げは正当化されない
可能性がある」と表明した。

インド中銀のスバラオ総裁は、中銀はインフレを
重視する姿勢を放棄していないと指摘、「過去の
金融措置による効果は依然として出ているが、
反インフレのスタンスを維持することが必要だ」
との考えを表明。

中銀は、農業セクターにおける構造的不均衡、インフラ不足、
財政赤字により、中期的なインフレリスクは依然として
高いとの認識を示し、「中期的に、金融政策スタンスは、
景気回復が緩やかであってもインフレ率が急上昇する
リスクを考慮に入れる必要がある」と述べた。