イタリア・スペインから支援要請は受けていない=IMF専務理事

国際通貨基金IMF)のラガルド専務理事は28日、
IMFはイタリアからもスペインからも支援の要請は
受けていないと述べた。

中南米諸国を歴訪中の同専務理事は「現時点で、
イタリアからもスペインからも支援の要請は受けておらず、
協議も行っていない」と言明した。

ただ、「イタリアに対し、財政監視の支援を
行うことは申し出ている」と述べた。

同専務理事は、IMFは政府からの要請を受けて
初めて融資を実施するとし、欧州債務危機でこれまでに
IMFの支援を受けたのはポルトガルアイルランド
ギリシャの3カ国のみであることを確認した。

IMFはこの日、イタリア政府がIMFと支援について
協議しているとの報道を否定している。

イタリアの10年債利回りは、ギリシャアイルランド
ポルトガルがそれぞれ支援申請を余儀なくされた時点の水準まで
上昇しており、29日にイタリア政府が実施する80億ユーロの
国債入札の行方が注目されている。

ラガルド専務理事は「欧州情勢に対しては、包括的な
解決につながる提案が迅速になされる必要があることは
明らかだ。IMFはその一部を担うことができる」と述べた。

欧州連合EU)当局者の間からは、イタリアとスペインの改革を監督し、
両国の国債への信頼回復を目的とする、欧州中央銀行(ECB)と
欧州金融安定ファシリティー(EFSF)が関与する対応策に
IMFが何らかの形で加わることは理にかなっているとの意見も出ている。