今後12カ月に米格下げにつながる事態は予想せず=フィッチ

米格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更した
フィッチ・レーティングスのアナリスト、デビッド・ライリー氏が
28日、ロイターのインタビューに応じた。

欧州債務危機の深刻化など、同社を米国格下げに
踏み切らせるような「深刻な負のショック」が
2012年に米国で起きる可能性はほとんどないとの見方を示し、
たとえ米国が一時的にリセッションに陥っても
格下げの理由にならないと述べた。

ライリー氏は「絶対と断言できないが、今後12カ月間に
当社が格付けを変更するような深刻な事態が起こるとは
想定していない」と述べ、「たとえば欧州の危機が著しく悪化し、
その影響が波及したという理由で米経済が
比較的短期間悪化したとしても、
われわれは一時的な現象と予想しており、必ずしも
格付け変更に結び付くわけではない」と語った。

格付けは、来年の選挙を経て2013年に発足する新政権が
数カ月以内に信頼に足る赤字削減策を打ち出すかどうかをみて
判断する方針。

「(2013年の)後半に入っても合意が見込めない情勢ならば、
(ネガティブの)見通しが格付け引き下げにつながる」とする一方
「合意が成立し、しかもそれが妥当で健全と思われ、
有効で債務水準の安定に寄与するとわれわれが判断すれば、
見通しを「安定的」に戻す可能性が高い」と述べた。