欧州の銀行の劣後債を格下げ方向で見直し=ムーディーズ

格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは29日、
欧州連合EU)加盟15カ国の87銀行が発行した
劣後債を格下げ方向で見直すと発表した。

政府の財政が悪化し、劣後債保有者の
救済が難しくなるとの懸念が背景。

見直しは、スペイン、イタリア、
オーストリア、フランスを中心に行う。

劣後債は平均で2段階の格下げ、ジュニア劣後債・Tier3債は平均で
1段階の格下げにつながる可能性があるという。

同社は報告書で「予想される政策変更や財政上の制約により、
欧州の劣後債の組織的な支援はこれまで以上に
予測不能となりつつある」と指摘。

このところ、劣後債保有者が損失負担を迫られ、
他の債務クラスに大きな影響がないケースがみられると指摘した。

同社は「こうした支援の前提の変化が、ノルウェー
スウェーデンなど、緊密に結びついたEU以外の
市場にどの程度の影響を及ぼすかも検討する」としている。