ECB、2012年の欧州成長率予測を下方修正も=シュタルク専務理事

欧州中央銀行(ECB)のシュタルク専務理事は29日、
ECBが2012年の欧州経済成長率予想を
引き下げる可能性を示した。

シュタルク専務理事は、米ダラス地区連銀主催の会合での講演を
前に記者団に「経済活動の著しい減速を予想している」と述べ
「世界的、そして欧州で経済活動への強い向かい風が吹いている」
と指摘した。

ECBスタッフは週末にかけて
成長予測を見直すとの見通しという。

また講演では、金融政策ができることには限界がある
との認識を示した上で、物価安定は経済パフォーマンスを
最適化する最善の方法であるとし、中銀は物価安定に
焦点を絞るべきとの見解を示した。

シュタルク専務理事は「われわれは物価安定を金融政策の根幹と
認識すべき」とし「これが経済的繁栄に金融当局が
できるベストの貢献だ」と述べた。

ユーロ圏債務危機が長期化、深刻化するのに伴い、
投資家からはECBにより断固とした対応をとるよう
求める声が高まる一方、アナリストの間では
欧州債券市場の悪化に歯止めをかけ、ユーロ圏崩壊を
防ぐにはECBが介入するしかないとの見方が多い。

こうした見解に対して、シュタルク専務理事は、
ECBの対応がかなり踏み込んだレベルに達していると主張。

「根本的な解決が必要な苦境から世界経済を脱却させるために
金融政策ができることには合理的な限界があるということを
再認識してもらうべき」と述べた。