予算の国債依存は限界、税収構造を見直す必要=安住財務相

安住淳財務相は24日午前、2012年度予算案を決定した
臨時閣議後の記者会見で、国債に大きく依存した
予算編成は限界に達しつつあるとして、消費税引き上げを含む
社会保障・税一体改革などを通じ、税収構造を
見直す必要があるとの考えを示した。

2012年度予算案の一般会計総額は90兆3339億円。

新規国債発行額は44兆2440億円と政府の財政健全化目標を守ったが、
国債への依存度は49.0%とほぼ半分に達し、
当初予算ベースで過去最悪を更新した。

過去に編成した補正予算も含めると、
国債発行額が税収見通しを上回るのは4年連続。

財務相は、再び国債依存度が過去最高を
更新したことを「誠に残念」と表明。

今回の予算編成を通じて「欧州のこの(債務)問題を考えれば、
(日本の)昭和50年代以降の予算編成のやり方と、
国債依存体制はそろそろ限界にきたのではないか」と話した。

同時に、一体改革で消費税を引き上げて「税収構造を見直して
高齢化社会への備えを万全にするとともに、子育てのしやすい、
若い人の働きがいがある社会、成熟型社会への切り替えを
図らないといけない時に来た」との考えを示した。

さらに財務相は、財政問題が表面化した際の「リスクの大きさ
(への認識)は国民も共有していると思う」とも指摘。

歳入構造の見直しがないと「今の公共サービスを保つのは
難しくなる。同時に、国際社会が日本の財政状況を注意深く
監視していることを自覚しないといけない」と述べ、
消費税の引き上げに強い意志を示した。

一般会計総額が6年ぶりに減少することについては
「厳しい財政状況の中でやむを得ない」としながらも、
「予算措置そのものをこれ以上削減すれば、
経済の点から言えば難しいところもある」と述べた。

経済の現状に関しては、長期化する円高が輸出を中心に
生産の鈍化を招いたことは「否めない事実」としたが、
東日本大震災からの復興需要が下支えとなり「来年は
国内需要は活況を呈してくる。震災の復旧復興に限らず、
日本全体で内需が底上げできるような予算措置を講じた」と説明した。