一般会計90.3兆円 国債依存度は過去最悪＝2012年度予算案

政府は24日午前の臨時閣議で2012年度予算案を決定した。

一般会計総額は90兆3339億円と
3年連続で90兆円を上回る高水準となった。

新規国債発行額は44兆2440億円とかろうじて
政府方針を守ったが、国債への依存度は
49.0％と当初予算ベースで過去最悪を更新。

過去の補正予算を含めると、国債発行額が
税収見通しを上回る異常事態は4年連続となる。

一般会計総額は6年ぶりに減少するが、92兆円台で
最大となった2011年度、2010年度に次ぐ過去3番目の規模。

2012年度は基礎年金の国庫負担割合を2分1に
維持するための財源2兆6000億円を、予算計上の必要がない
交付国債で賄うことや、東日本大震災からの復興経費を
特別会計で3兆7754億円計上していることなどを踏まえると、
実質的には過去最大といえる。

税収は42兆3460億円と2年連続で前年度当初予算を上回り、
リーマン・ショックで急減した2009年度以来の水準に回復する見通し。

政府は震災からの復興需要の本格化などで、
2012年度の国内総生産（GDP）成長率を名目プラス2.0％、
実質同2.2％を見込んでおり、2011年度のマイナス成長からの
急回復が根拠となっている。

歳出の大枠にあたる基礎的財政収支対象経費は
68兆3897億円と2011年度当初予算から2兆4728億円減少し、
政府が中期財政フレームで示した71兆円を下回る。

しかし、2011年度予算に盛り込まれていた年金の
国庫負担割合の引き上げ分を除いて比較すると、
2011年度とほぼ同水準。

歳出で最大の3割弱を占める社会保障関係費の増大に
歯止めがかからない中、子ども手当の見直しなどを進めたが、
歳出改革への踏み込み不足の感は否めない。

歳出の2割超を占める国債費は
21兆9442億円と2011年度とほぼ横ばい。

想定金利は2.0％と2011年度当初の見込みを据え置いた。

2012年度末の国債発行残高は、復興債を含めて709兆円と
過去最大規模に膨らみ、国内総生産（GDP）に対する比率も
148％と過去最悪を更新する。

国・地方の長期債務残高も937兆円となり、
GDP対比で195％と2倍に接近する見通しだ。

国の基礎的財政収支（プライマリーバランス）は、
2012年度に22.3兆円の赤字となり、2011年度補正後の
35.6兆円の赤字からは縮小するが、依然として高水準の赤字状態が続く。

新規国債発行額が4年連続で税収を上回るなど、
政府が重要課題に掲げる財政再建への
取り組みの鈍さも浮き彫りになっている。