イタリア追加利下げも、政策決定で景気サイクル注視=中銀総裁

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのビスコ・イタリア中銀総裁は24日、
イタリア紙ソレ24オレとのインタビューで、金融政策の決定で中銀は
景気サイクルを注視していくとの考えを示し、ユーロ圏の景気が一段と
悪化した場合の追加利下げの可能性を示唆した。

総裁は「金融政策は(景気)サイクルに注意を払い決定する。
われわれは中期的な金融の安定を守る」と述べた。

また、金融市場は引き続き不安定だがイタリア国債利回り
上昇基調は反転した、との見方を示した。

23日の欧州市場では、イタリアの10年債利回りは
7%を突破し、12月16日以来の高水準を記録、
独連邦債に対する利回りスプレッドは
500ベーシスポイント(bp)超に拡大した。

イタリア上院で22日に承認された330億ユーロ(430億ドル)の
緊縮財政措置については「不可欠な」措置と指摘。

その上で、成長促進や雇用創出に向けた
構造改革を推し進めるべきとの考えを示した。

ウニクレディトやインテサ・サンパオロなどイタリアの銀行は、
ECBが初めて実施した3年物オペで1160億ユーロ(1435億ドル)を調達した。
これはこのオペの供給総額の約4分の1に相当する。

総裁は、銀行の流動性について、ユーロ圏のソブリンリスクの高まりを
背景に銀行の新たな資金調達は困難になっており、大きな圧力に直面している、
との見方を示した。

欧州銀行当局が求める銀行の資本増強については、
一時的な措置であり、レバレッジ解消や融資削減を
目的としたものではない、と指摘。

「(市場での資本調達は)容易でないことは理解できるが、
桁外れの数字ではない」と述べた上で、配当や賞与の削減、
非戦略部門の資産売却なども銀行にとり他の選択肢であるとの認識を示した。