ロシアからの資本流出、来年3月の大統領選後は収束へ=大統領補佐官

ロシアのドボルコビッチ大統領補佐官は28日、
ロシアからの資本流出は、来年3月4日に予定されている
大統領選挙後は収束するとの見通しを示した。

同補佐官は記者団に対し、大統領選後は
「政治的な不透明感が払拭されるため、
資本流出は徐々に収束するとみている」と述べた。

同補佐官はロシアからの資本流出の要因として、
企業の事業環境が整っていないこと、世界的な金融危機などを挙げ、
今年は国内の政治的要因で資本流出が加速したと指摘した。

ただ「この要因は2012年3月以降は
解消する」との見方を示した。

ロシアでは、今月4日に行われた下院選挙で不正があったとして、
選挙のやり直しなどを求める抗議集会が全国的に広がっているものの、
3月の大統領選では大統領への返り咲きを狙うプーチン首相が
当選するとの見方が依然として強い。

ただ、アナリストの間ではプーチン氏が大統領職に
復帰したとしても、ロシアの資本流出問題は
解決しないとの見方が出ている。

ロシア中央銀行の統計によると、
2011年1〜11月の資本流出は約740億ドル。

最新のロイター調査では2012年はロシアから
約400億ドルの資本が流出する可能性が示された。

ドボルコビッチ補佐官はまた、ロシアの経済成長率について、
原油価格が1バレル=90〜100ドルで推移した場合、
2012年は3%の成長を達成できるとの見通しを示した。

ただ、最悪の場合は1%を下回る恐れもあるとした。
ロシアの2011年の成長率は4.2〜4.5%となる見通し。