景気「緩やかに持ち直し」、3カ月連続で判断維持=1月の月例経済報告

政府は17日に発表した1月の月例経済報告で、
景気は「東日本大震災の影響により依然として
厳しい状況にあるなかで、緩やかに持ち直している」とし、
3カ月連続で基調判断を据え置いた。

ただし、輸出についてアジアや欧州向け輸出を中心に判断を
「弱含んでいる」として下方修正したほか、
輸入も「増勢が鈍化している」とした。

今後のリスクとして、欧州債務危機による金融システム懸念が
わが国景気を下押しする可能性にも言及した。

国内経済に関しては、
輸出入以外の項目は据え置いた。

消費は概ね横ばい、生産は緩やかな
持ち直しとして見方を変えていない。

一方で、海外経済については、全体を
「弱い回復となっている」としている。
各地域のうち、欧州の判断を引き下げた。

米国は雇用者数の緩やかな増加や住宅着工の持ち直しに
向けた動きから「緩やかに回復している」として、
前月の「弱い景気回復になっている」から上方修正した。

一方で、欧州はドイツの景気が生産を中心に
これまでより弱くなっていることを挙げて、
「景気は足踏み状態にあり、一部に
弱い動きもみられる」に下方修正した。

さらに欧州各国の格付けが一斉に引き下げられた
影響についても注視する必要があるとみている。

アジアについては判断は横ばい。
中国は内需中心に景気は拡大しているものの、先行きについて
金融資本市場の動きや欧米向け輸出の動向に注意する
必要があると指摘している。

また、タイは洪水の影響が色濃いが、その他のアジア各国で
景気回復テンポが緩やかになっているとみている。

先行きのリスク要因には、「欧州債務危機が金融システムに対する
懸念につながっていることや金融資本市場に影響を及ぼしていることにより、
海外景気が下ぶれし、わが国景気が下押しされるリスクが存在する」と指摘。

前月は、「欧州債務危機などを背景とした海外景気下ぶれや
為替・株価の変動により景気が下ぶれするリスク」としていたが、
今月は「金融システムに対する懸念」を追記した。

このほか、「電力供給制約と原子力災害の影響、さらにはデフレの影響、
雇用情勢の悪化懸念が依然残っていることに注意が必要」だとした。