インド中銀が現金準備率引き下げ、政策金利は据え置き
インド準備銀行(中央銀行、RBI)は24日、
政策金利を据え置く一方、現金準備率を引き下げた。
約2年にわたりインフレ抑制を目指す政策運営を続けてきたが、
流動性がひっ迫した状況を緩和する措置を講じることで、
成長にも目配りする方向にかじを切った。
中銀は24日、現金準備率を50bp引き下げ5.50%とした。
政策金利であるレポレートとリバースレポレートは、
それぞれ8.50%、7.50%に据え置いた。
中銀は、2010年3月から2011年10月にかけて
政策金利を13回、引き上げていた。
据え置き決定は2回連続で、
市場の予想通りだった。
インドのコアインフレ率は
依然高止まりしている。
スバラオ中銀総裁は声明で「成長とインフレとの間で
金融政策の均衡点は成長寄りにシフトした。
ただ同時にインフレ圧力が抑制され続けることを
確実にする」と表明した。
現金準備率(CRR)については、
ここ数日、引き下げ観測が出ていた。
ただ、中銀はCRRは流動性調整手段のみならず、
政策シグナルでもあるとして、
引き下げに慎重な姿勢を示唆していた。
国内市場はCRR引き下げを好感。国債利回りは
発表直後に低下、SENSEX株価指数は上げ幅を拡大した。
スバラオ中銀総裁は、CRR引き下げ決定は、
今後は引き下げ方向というシグナルとしたが、
政策金利については、現在のインフレ見通しを
踏まえると引き下げるのは時期尚早との認識を示した。
中銀は今回、予想通り今年度(2011年4月〜2012年3月)の
国内総生産(GDP)伸び率予想を7.6%から7%に引き下げた。
インフレ指標となっている卸売物価指数(WPI)の
目標(年度末時点)は7%で据え置いた。
前年度のGDP伸び率は8.5%だった。
中銀は、4月から始まる
来年度の経済は穏やかに回復すると予想。
インフレ率は鈍化するものの物価圧力は
くすぶり続けるとの見通しを示した。