イラン、EU制裁発効前に欧州向け原油輸出停止も

イランは、欧州連合EU)が制裁措置として
イラン産原油の輸入を全面的に禁止する前に、
EU加盟国への輸出を停止する可能性がある。

イラン議会は、EU輸入禁止を実施する
7月1日以前に政府が欧州への輸出を
禁止できるようにする法律を29日に討議する。

これについてイランのアハマディネジャド大統領は26日、
国営ラジオで放送された演説で、「イランを必要としているのは
西側諸国であり、制裁によりイランが失うものはない」と述べた。

その上で「欧州との貿易がイランの貿易全体の90%を
占めた時期もあったが、この割合は現在は
10%まで低下している」と指摘。

貿易を寸断すれば、損失を被るのがどちらになるのか
明白になるとの考えを示した。

イランは石油輸出国機構OPEC)加盟国のなかで
第2位の原油輸出国で、EUはイランにとり
中国に次ぐ第2位の原油輸出先。

EUはイタリアやギリシャなどイラン産原油への依存度が
高い国への影響を緩和するため、全面的な
輸入禁止措置の導入を半年先に設定した。