英インフレ率は年内低下へ、追加緩和は経済見通し次第=金融政策委員

イングランド銀行(英中央銀行)のマイルズ金融政策委員は27日、
年内にインフレ率が大幅に低下するとの見方を3カ月前よりも
強めたとする一方、一段の量的緩和を実施すべきかに関する
自身の最終判断は、最新の経済見通し次第と述べた。

金融市場では、10月に決定した750億ポンドの
資産買い入れの完了に伴い、英中銀が来月、
少なくとも500億ポンドの追加買い入れを
決めることがほぼ確実視されている。

しかし、マイルズ委員はロイターとの
インタビューで予断を持たないと表明。

「(追加資産買い入れが)ほぼ決まったものと思うのは
行き過ぎだ。わたし自身、どういった票を投じるか
不確実な部分がある。他の8人の政策委員の代わりに
発言するつもりはない」と語った。

英中銀は11月の見通しで、インフレが年末までに
目標の2%を割り込み、2013年を通じて
1.3%付近で推移すると予想した。

10月の追加緩和は1度限りのことではない
との市場の期待が強まった。

しかしマイルズ委員は、こういった予想を
機械的に」解釈してはならないと述べた。

委員は、過去3カ月間の主な経済動向は、インフレが
2011年の終わりごろにピークに達し、その後急速に
低下するとする英中銀の予想を明らかに裏付けていると指摘。

「インフレは今後も引き続き低下し、目標水準に戻る
公算が非常に大きい。今年から来年にかけて、
目標水準を下回る可能性もかなりある」との見方を示した。

さらに「かなりの余剰生産能力が将来も存在すると
みられることから、インフレは、向こう数年、
下降傾向をたどると予想することが妥当だ」と語った。

経済見通しについては、第4・四半期の経済成長率が
0.2%のマイナス成長となったことを受け、
定義上のリセッション(景気後退)に陥っても
さほど驚きではないとの認識を示した。

その上で「より重要なことは、今年から来年にかけての
経済動向だ」と述べ、大きなプラス成長を回復していくのが
最も起こり得るシナリオとの見方を示した。

ただ、銀行の資金調達コストの上昇や債務危機の悪化など、
成長には依然大きな下振れリスクがあるとした。

欧州中央銀行(ECB)の流動性供給オペについて、
銀行に時間を稼ぐ余裕を与えたものの、
恒久的な解決策ではないとの認識を表明。

銀行の得た時間的余裕が生産的に活用されるかが
より大きな問題とし「現在のユーロ加盟国が
全てユーロ圏にとどまるかどうかはだれも確信が持てない」と話した。