欧州は防火壁の増強必要=ガイトナー米財務長官

ガイトナー米財務長官は27日、世界経済フォーラム年次総会
ダボス会議)で、欧州は危機拡大を封じ込める
金融ファイアウォール(防火壁)を
増強する必要があるとの見解を示した。

また、ユーロ圏債務危機原油価格の動向が
米経済成長への二大圧迫要因になっていると指摘した。

ガイトナー長官は「欧州が結束を維持していく唯一の方法は、
一段と堅固なファイアウォールの構築と考える。
これを実現するにはより強いコミットメントが求められる」と述べた。

さらに「欧州がファイアウォールを増強することが可能で、
積極的に取り組んでいくのであれば、国際通貨基金IMF)は
重要な役割を担う用意があると確信している」とした。

その一方で、IMFソブリン債危機を食い止める
ファイアウォールの代わりにはならないとけん制した。

米経済については、2〜3%のペースで成長しているとしつつも、
「われわれは金融危機がもたらしたダメージをまだ修復している
ところだ」とし「加えて、われわれはより厳しい環境に
直面している。米国にはこの先多くの試練が待ち受けている」と語った。

米経済全体の収益性は極めて高いとしつつも
金融危機の余波と財政面での政府への圧力が
依然として米国の経済成長を阻んでいる」と指摘した。

イラン制裁に関しては、欧州連合EU)がイラン産原油禁輸を決定し、
米国と足並みをそろえたことは心強いとした上で、中国も協調する
可能性があることを示すプラスの兆候がみられると認識した。

自身の去就については、オバマ米大統領が11月の大統領選で
再選したとしても、財務長官の職にとどまるよう
要請されることはないと改めて言明した。