円安でデフレ脱却?

為替市場は、潮の目が
変わって来たようです。

これまで、相対評価で買われていた
円が売り浴びせられています。

ギリシャ問題は一応の解決を見ましたが、
これは今までも、ここまでは来ました。

ギリシャが本当に赤字削減の策を採らないことで、
ユーロ圏の支援が得られずに、
問題がどんどん膨らんできたのです。

このギリシャ問題のギクシャクが、
ユーロ圏の景気にも影響を与えて、
先行きの欧州経済の悪化懸念が
ユーロ売りの大きな材料になったのでした。

さらに、財政赤字問題はギリシャだけでないことが
明らかになったことで、欧州各国の格下げが広がったことも、
ユーロ危機を増幅しました。

今回も何も状況は変わっていませんが、
ユーロを売り飽きた向きや、ユーロ買いポジションが
ワークし始めていることで、積極的に
ユーロが買い上げられているようです。

一方、ドル円も、大きな節目である80円台を
ドルが回復したことで、ドル買いが仕掛け安くなったわけです。

これまでは、ドル買いを仕掛けても、
じりじりとドル売りに押される動きとなり、
ドル買いはワークしないという印象が
強かったのですが、ドルが大台を回復したことで、
これまでドル買い・円売りを控えていた
日本の輸入業者が動き始めました。

原発事故により、天然ガスの輸入が増え、
原油も上昇基調となる中で、
輸入の手当てが必要になってきたのです。

これに対し、輸出業者は超円高が続いていたことで、
少しでも円安に振れたら、そこは円の買い場と見て、
円の下落を阻止する動きが目立っていたのですが、
ここまで円安になると、今少し様子を見て、
有利な水準で円を買いたい(ドル、ユーロを売りたい)
という思いが強まっているようです。

輸入でも輸出でも、今がチャンスと
動き始めた直後に相場が逆に振れたことは
今まで何度も経験したことです。

十分に注意が必要だと思います。

この調子で円安が進めば、
輸出にとっては千載一遇のチャンスです。

弱くなったと言われている
輸出の底力を見せつける時です。

輸入にとっては、この円安は
しんどいことになりそうです。

エネルギー価格が上昇していることも
二重のショックになります。

しかし、この結果、物価が
上昇する可能性が高まって来ました。

悪いインフレでも
今は甘受するしかないようです。

デフレからの脱却にも、光が見えてきました。

予想レンジは、
ドル円が78.20〜83.20円、
ユーロ円が106.20〜112.20円、
英ポンド円が126.20〜133.20円、
ドル円が79.20〜89.20円。