英中銀議事録はインフレ警戒鮮明、量的緩和打ち止めの可能性示唆

イングランド銀行(英中央銀行BOE)は、18日公表した
金融政策委員会(4月4〜5日開催分)の議事録で、
インフレ上振れへの懸念とともに英経済は引き続き
回復軌道にあるとの見方を示し、量的緩和打ち止めの
可能性を示唆した。

それによると、資産買い入れ枠を3250億ポンドに据え置いたのは
8対1の賛成多数による決定で、引き続き買い入れ枠の拡大を主張し
反対票を投じたのは、マイルズ委員だけだった。

一方、これまで長らく追加緩和を主張してきたポーゼン委員は、
現行政策の継続に賛成する立場に転じた。

金利については、全会一致で0.5%に
据え置くことを決定した。

またタッカー副総裁は同日、燃料高や食料価格上昇などを背景に、
インフレについては「悪い」情報が出ていると述べ、
2月の中銀インフレ報告の予測ほど速やかに低下しない
可能性が高いとの認識を示した。

議事録やタッカー副総裁の発言は、英中銀の政策方針に対する
姿勢が大きく転換したことをうかがわせており、利上げ予想が
前倒しされる可能性がある。

これを受け、ポンドは対ユーロで急伸し、
1年7カ月ぶり高値をつけた。

英中銀は、英国立統計局(ONS)のデータよりも、
緩やかな景気回復を裏付けている調査の内容に
一段の重きを置く姿勢を示した。

議事録は「12月と1月の建設セクターの急激な落ち込みは
困惑する現象だが、委員会はそれをあまり重視しないことにした」とし、
「幅広い調査指標は、上半期の成長が緩やかになることを
示している」と分析している。

英中銀は2月の会合で、年内にはインフレ率が目標の2%を
下回る水準に鈍化するとの見通しを示していた。

だが17日に発表された3月の消費者物価指数
(CPI)は前年比3.5%上昇。

燃料・食料価格の上昇などを背景に、
上昇率が6カ月ぶりに加速した。

議事録では、インフレ率が短期的に予想を上回る可能性が高いとし、
中期的にもインフレ率が目標水準を上回る状態が続くリスクが
大きいとの認識を示した。