ECB、物価安定に向け全ての措置講じる=仏中銀総裁

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーの
ノワイエ・フランス中銀総裁は23日、
ニューヨーク証券取引所の会合で講演し、
ECBがユーロ圏の物価安定のため
「全ての必要な措置」を講じていくと述べた。

ECBが最近実施した非標準的措置を各国政府や
銀行は資本や財政状況の改善に向けた
「好機」と捉えるべきと指摘した。

ECBの流動性供給措置をめぐっては、タカ派から
インフレリスクを懸念する声が出ている。

ノワイエ総裁は会合で「何よりもまず、ECBは
物価安定を提供しており、この責務を果たすために
引き続き必要な措置を全て講じる」と発言。

「われわれが最近実施した異例かつ一時的措置は、
銀行にとってバランスシートの増強、各国政府にとっては
財政再建の取り組み強化の好機とみなされるべき」と述べた。

ECBが12月と2月に実施した3年物資金供給オペ
(LTRO)については、既にプラスの効果が
表れつつあるとの認識を示した。

総裁は「これらの措置が実体経済の資金調達面に
どれだけ浸透するか判断するのは時期尚早」と
断りながらも「しかし、2回目の3年物資金供給オペの
応札金融機関が初回より多かったことは、以前よりも
中小企業に資金が行き渡っている可能性を示唆している」と述べた。

同日、ニューヨークの別の会合で講演したバイトマン独連銀総裁も、
物価安定維持という責務の重要性に言及し、ECBの金融政策は
ユーロ圏の物価安定維持という最重要目標を見失ってはならないと述べた。

イトマン総裁は「金融政策責任者は、ひとたびユーロ圏の
インフレ上振れリスクが高まれば、必要な対応を
しなければならない」とし「物価安定の維持という
最重要目標を果たすことは、中銀にとって最も貴重な
資源である信頼を守る上で極めて重要だ」と述べた。

ニューヨーク大学で講演したオーストリア中銀の
ノボトニー総裁は、低金利流動性を供給する措置の
効果を見極めるのが妥当との認識を示した。

総裁は、証券市場プログラム(SMP)と呼ばれる
ECBの債券買い入れ制度は現在「休眠状態」だが、
必要となれば、しかるべき新たな措置が決定され得ると説明。

欧州で再び緊張が高まれば、新たな措置が打ち出される
可能性があるが「今はその必要性を感じない」と述べ、
それがECB金融政策責任者の「共通の見解」と付け加えた。