2011年のギリシャ財政赤字、GDP比で9.1%=統計局

ギリシャ統計局(ELSTAT)が23日公表した統計によると、
2011年の財政赤字国内総生産GDP)に対する比率は9.1%となり、
前年から1.2%ポイント改善した。

国債関連を除く基礎的財政収支プライマリーバランス)は
赤字から脱却できなかったものの、債務危機の発端となった
2009年の15.6%からは6.5%ポイント改善。

所得と不動産に対する増税付加価値税率の引き上げ、
年金支給額の減額などの緊縮財政策が奏功した。

サキニディス財務相は「2009年の財政赤字からの改善幅は大きい。
ギリシャ基礎的財政収支はまもなく黒字に転じる」と述べた。

2011年の債務のGDPに対する比率は
165.3%となり、前年の145%から上昇した。

ギリシャは2012年は財政赤字GDP比率を
6.7%に引き下げることを目標としている。

3月に合意された債務交換による国債の利払いの
減少などにより、第1・四半期の統計に基づくと、
同目標の達成は射程範囲内にあると見られている。

国際通貨基金IMF)によると、5月6日に行われる
総選挙後に発足する新政権は、2013〜2014年に
GDPの5.5%に相当する約110億ユーロの
予算削減に合意する必要がある。

さらに、支援を受け続けるために、税金の徴収状況を
改善することで30億ユーロ程度確保する必要がある。

ただ、ギリシャは2012年は4.8%を超えるマイナス成長に
陥る見通しとなっており、実施は困難を極めると見られる。

ギリシャの経常赤字のGDPに対する比率は、
競争力の低下を反映し、2011年は9.8%に低下。

2012年は7%に低下すると見られている。