米FOMCは政策据え置き、FRB議長「必要なら追加措置ためらわず」

米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は25日、
経済が悪化すればFRBは追加の債券買い入れ実施を
「躊躇することはない」ものの、現時点で金融政策は
概ね正しい位置にあるとの認識を示した。

FRBは同日発表した連邦公開市場委員会FOMC)声明で、
金融政策を据え置き、政策金利を少なくとも2014年終盤まで
据え置く公算が大きいとの見方を改めて示した。

インフレについては、今後数年間の見通しを引き上げた。
引き上げは今年が最も顕著だった。
ただインフレ率が2%の目標水準を上回るとは見込んでいない。

バーナンキ議長はFOMC後の記者会見で「目的達成に向け、
必要ならバランスシートに関する追加的措置を講じる
全面的な用意が引き続き整っている」とし、「これらの手段は
依然として選択肢から全く外れておらず、追加支援が
必要な場合にはためらわず活用する」と言明した。

その上で、3月に8.2%だった失業率に改善が見られない場合には
措置を講じる用意があるものの、「金融政策は現時点で、
概ね正しい位置にあるとみている」との認識を示した。

FOMC声明後に公表された金利動向に関するFRB当局者の予想では、
最もハト派的な当局者の利上げ開始時期が前倒しされ、
2016年の利上げを予想する向きはゼロとなった。

FOMC声明では、前回と同様、経済は
緩やかに拡大との景気認識が示された。

失業率は低下したが、依然として
高止まりしていると分析している。

3月の声明では、失業率は
「顕著に低下した」としていた。

住宅市場については「一部改善の
兆しが見られる」との認識を示した。

一方、向こう数四半期の経済成長は引き続き
緩やかとの見方を改めて示し、その後
段階的に加速する見通しとした。

その上で「一段と力強い景気回復を支援し、インフレが
時間の経過と共に確実にFOMCの2つの責務と
整合的な水準になるよう支えるために、FOMC
金融政策において非常に緩和的なスタンスを
維持すると予想している」としている。

リッチモンド地区連銀のラッカー総裁は、2014年末より前に
利上げする必要があるとの見方から、前回会合に続き反対票を投じた。

またFRBはインフレ加速に言及しつつも、エネルギー価格上昇が
主因で、物価への影響は一時的にとどまるとの認識を示した。