米財務長官が中国に懸案への対応要請、戦略経済対話を控え

ガイトナー米財務長官は26日、5月初めの米中戦略・経済対話を前に、
中国に両国間の懸案への対応を改めて求めた。

中国側が進展を図れば、米国もハイテク製品輸出規制緩和などで
対応する用意があるとした。

ガイトナー長官は講演で「われわれは、これらの問題で
引き続き進展を図るつもりだが、それは中国が、
わが国にとって重要な問題でどれだけ進展を
図るかにかかっている」と述べた。

中国の金融システムは、大規模国有企業向け融資に偏重しがちな
大手国有銀行に依然支配されていると指摘。

預金金利の上限を引き上げるべきと主張した。

利子収入を増えれば、家計にゆとりができて消費力が増し、
米国のものも含めモノやサービスを購入する余地が拡大すると述べた。

また、米政府として、米国企業が中国ビジネス
公正な扱いを受けられる取り組みを継続すると約束。

人民元相場については、より早いペースで上昇する必要が
あるとの見解を改めて示し、人民元相場の形成により
市場原理が働き、さらに上昇すれば、「将来の成長・
インフレ動向の変化に独自、かつ柔軟な対応」ができると指摘した。

「米国と中国の経済関係は、双方に多大な利益をもたらしている。
わが国と中国は多くの分野で競合しているが、
経済的強さは概ね補完的だ」と述べた。

また同長官は、欧州には自ら債務危機
対処する能力があると指摘。

その上で、米国も通貨スワップ協定などの
措置を通じて一定の貢献をしていると述べた。

ガイトナー長官は講演後、「欧州は危機に対処する財源を
もっている。われわれは、欧州危機の主な財政負担は
欧州が負うことになると世界がきちんと
理解してほしいと考えている」と述べた。

また、米連邦準備理事会(FRB)が欧州の中銀と締結している
通貨スワップ協定は、欧州の銀行システムに流動性を供給しており
「大いに有効な」措置と強調し、米国が欧州を
支援していないという指摘は正しくないと述べた。