成長促進はドイツ危機対策の柱、EU首脳会議でも協議=独報道官

ドイツ政府のザイベルト報道官は27日、欧州は財政再建だけでなく
成長を促進する必要があるとし、6月の欧州連合EU)首脳会議では、
成長・雇用促進に向けた対策が協議されるとの考えを示した。

報道官は記者会見で「成長はこれまで、ドイツの
危機対策の第2の柱だった」と発言。

「1月、3月の欧州理事会では成長が議題だった。6月の首脳会議では、
成長・雇用促進が大きなテーマになる見通しで、(欧州の)パートナーと
正しい措置を模索する上で、これまで同様、ドイツは積極的な姿勢で
臨む」と述べた。

フランス大統領選で優勢が伝えられている野党・社会党のオランド候補は、
経済改革と歳出削減を重視するメルケル独首相を批判し、当選した場合には、
欧州の財政再建議論を成長重視路線に修正する方針を示している。

報道官の発言からは、5月6日の仏大統領選の決選投票を控え、
ドイツがこれまでの緊縮財政一辺倒の姿勢から態度を
やや軟化させていることがうかがえる。

現職のサルコジ仏大統領への支持を表明しているメルケル首相は、
これまでオランド候補との会談を避けており、同氏が成長に
関する項目を盛り込むよう主張している「財政協定」の
再協議についても拒否している。

だが、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁も、
EUの新財政協定に加え、欧州には「成長協定」が
必要との考えを示しており、オランド候補が当選した場合には、
この成長協定を軸に独仏双方が歩み寄る可能性がある。

メルケル首相は成長協定を受け入れる余地はあるかとの質問に対し、
ザイベルト報道官は直接的な回答を避けたものの、「ドイツ政府は
このところ、成長促進に向けた具体策を欧州が協議するよう、
成長促進策を強力に推し進めており、今後も引き続き
後押ししていく」と述べた。