伊入札は利回りが1月以来の高水準 スペイン格下げ響く

イタリアが27日実施した一連の国債入札で、5年債と
10年債の利回りがともに1月以来の高水準に上昇した。

格付け会社S&Pがスペインを2段階格下げしたことを受け、
ユーロ圏の高債務国の国債に対する懸念が高まっており、
市場の信頼感のぜい弱さを浮き彫りにした。

ただ調達額は59億5000万ユーロと、目標レンジ
(37億5000万〜62億5000万ユーロ)の上限近くに達した。

10年国債(2022年9月償還)は落札利回りが5.84%。
3月末の前回入札の5.24%から60ベーシスポイント(bp)上昇し、
心理的節目となる6%の水準に迫った。

6%の水準を継続的に上回れば、借り入れコストが持続不可能な水準まで
加速度的に上昇する可能性がある。
落札額は25億ユーロで、応札倍率は1.484倍だった。

5年国債(2017年5月償還)は落札利回りが4.86%となり、
3月末の前回入札の4.18%から上昇した。
落札額は24億1600万ユーロで、応札倍率は1.341倍。

イタリアはこのほか2016年4月償還債、
2019年2月償還債も発行した。
5年債と10年債の落札利回りが1月以来の水準に
上昇したことで、欧州中央銀行(ECB)の
3年物オペ資金供給を背景とする2〜3月の
入札利回り低下分は打ち消された格好となった。

イタリアは月内に、2〜4月に償還を迎える国債
およそ900億ユーロの借り換えを完了する見通し。

財務省高官は同日、2012年の国債発行予定額
4400億〜4500億ユーロの43%以上を調達済みと明らかにした。

5〜6月に償還を迎える中長期債はほとんどないが、
イタリアは下期に償還を迎える国債1000億ユーロ程度を
手当てする必要がある。