スイスフラン上限設定は非常手段、水準設定にはリスク伴う=中銀

スイス国立銀行中央銀行)のジョルダン総裁は27日、
スイスフラン安が進行せずデフレリスクが強まる場合は
追加措置を講じると発言、現在のスイスフランの上限を
維持するため、無制限のユーロ買い介入を実施する用意が
あるとの認識を示した。

スイスフランの上限を現在の1ユーロ=1.20フランから
一段とフラン安方向に設定するのではないかとの観測については、
上限設定は非常手段であり、リスクなしに望ましい水準に
設定できるわけではないとの認識を示した。
中銀年次総会の演説原稿で見解を示した。

総裁は「最低為替レートは非常手段であり、大幅に
過大評価されている状態で、最悪の結果を回避する
狙いでのみ導入される」と発言。

「スイス経済が直面する問題をすべて解決できる万能薬ではなく、
リスクなしに望ましい水準でたやすく実行できるわけではない」と述べた。
総裁は、現在の上限を防衛する決意も改めて表明。

「国際経済情勢が予想以上に悪化した場合や、スイスフラン安が
予想通り進行しない場合は、物価安定の下振れリスクが
再び浮上する恐れがある」と指摘。

「経済見通しやデフレの脅威からみて必要となれば、
いつでも追加措置を講じる用意がある」と述べた。