スペイン、さらなる格下げの恐れ=S&P幹部

S&Pの欧州ソブリン格付け部門責任者モーリッツ・クレーマー氏は27日、
スペインの銀行は政府支援が必要になる可能性があるとし、
同国の債務問題が深刻化した場合、スペインの格付けが
さらに引き下げられる恐れがあると警告した。

クレーマー氏はロイター・インサイダー・テレビのインタビューで、
スペイン経済の低迷が続いた場合、資金難に陥った銀行が政府に
負荷をかける恐れがあると指摘した。

同氏は「多くのスペインの銀行にとり、
市場からの資金調達は困難になる」と予想。

「このため、ある時点で政府の介入が求められる可能性がある。
ただ、少なくとも現時点では、スペイン政府はこうしたことの
検討には消極的であると思われる」と述べた。

同氏はまた、スペインが他の欧州諸国からの支援が必要となった場合、
欧州の常設の安全網となる欧州安定メカニズム(ESM)からではなく、
現在の一時的な救済基金である欧州金融安定ファシリティー(EFSF)から
支援を受けることが望ましいとの立場を示した。

ESMから支援を受けた場合、ESMの優先債権者待遇が
債券市場に波乱をきたす恐れがあるためとしている。

S&Pは前日、景気や銀行セクターの状況が悪化し、
財政が当初の想定以上に悪化するリスクがあるとして、
スペインの長期ソブリン信用格付けを「A」から
「BBB+」に2段階引き下げている。

クレーマー氏は、スペインの債務水準が現在のS&Pの予想を
超えて膨らんだ場合、さらなる格下げもあり得るとの見方を示した。