仏銀、ギリシャのユーロ離脱に備え対応策を強化=関係筋

関係筋によると、クレディ・アグリコルBNPパリバ
ソシエテ・ジェネラル(ソジェン)などの仏銀が
ギリシャのユーロ離脱に備え、対応策を強化している。

パリの銀行関係者は「すべての銀行が、ドラクマ復活によって
生じ得る影響を検討するタスクフォースを設置している」と語った。

投資銀行関係者は、規制当局の要請を受けて
すべての仏銀が過去2週間に対応策を強化したと述べた。

BNPパリバ、ソジェン、クレディ・アグリコル
コメントを差し控えている。

金融健全性規制監督機構(ACP)も、
対応策策定の可能性をめぐりコメントしていない。

国際決済銀行(BIS)の試算によると、2011年12月末時点で、
フランスのギリシャへの融資額は444億ドルと、
ドイツの134億ドルを大きく上回っている。

ナティクシスのアナリスト、Alex Koagne氏によると、
ギリシャのユーロ離脱によって見込まれる各行の損失額は、
クレディ・アグリコルが52億ユーロ、BNPパリバ
29億ユーロ、ソジェンが4億ユーロ。

ノワイエ仏中銀総裁は前週、ギリシャのユーロ圏離脱によって、
どの金融機関も困難に直面することはないとの見方を示したほか、
仏規制当局はギリシャのユーロ圏離脱の影響を織り込んだ、
金融機関のストレステスト(健全性審査)を積極的に
実施していないとの認識を示している。

オランド仏大統領も今週に入り、ギリシャのユーロ離脱は論外で、
その可能性に備えた対応策は用意していないと述べていた。

クレイマー・レビンのウベール・ドゥボープラン氏は
「英国の金融セクターは数週間、数カ月前に、対応策の策定を
始めている」とし、政治的な理由から、英銀に比べ仏銀の動きは
やや消極的になっていると指摘した。

クレディ・アグリコルは傘下にギリシャエンポリキ銀行を持ち、
ギリシャへのエクスポージャーがとりわけ大きい。

同行は先に、ギリシャがユーロを離脱する可能性は
低いとみなしつつも、作業チームがその可能性に備えた
用意を整えていることを明らかにしている。

また、エンポリキ銀について、ギリシャ中銀の
流動性供給制度を利用できるよう再申請した。

BNPパリバとソジェンは過去1年にわたり、
ギリシャソブリン債へのエクスポージャー
圧縮してきており、4月末時点で両行の帳簿上の
ギリシャ保有残高は2億ユーロにとどまっている。

ソジェンのウデア最高経営責任者(CEO)は先に、
傘下のギリシャのゲニキ銀行について、
エクスポージャーは約5億ユーロで、
「管理可能」との見解を示した。