国債入札トラブルは応札限度額の誤入力が原因=日銀

日銀は29日、同日に行われた2年物国債の入札で
事務上のトラブルが発生し再入札を行う
事態になったことについて、業務局の職員が
別の年限の国債入札画面に入札参加者毎の
応札限度額を入力したため、本来のデータが
更新されず、応札できない参加者が
発生していたことを明らかにした。

国債入札に関する事務を3人態勢で
チェックしているが、それも機能しなかった。

日銀では、市場に混乱を与えかねない
重要なミスと認識しており、
可及的速やかに再発防止策を策定する。

業務局の杉浦俊彦総務課長が語った。

日銀によると、入札事務の誤りに
気づいたのが正午の応札締め切り後。

複数の入札参加者から、システムに応札額が
入力できないとの連絡があり、直ちに調査したところ、
日銀の事務にミスがあったことが判明したという。

具体的には、銀行や証券会社など各参加者毎に
設定されている応札限度額をシステムに入力する際、
今回の2年国債とは別の年限の国債
入札画面に各社の応札限度額を入力。

本来の画面には、以前に入力した限度額が残ってしまい、
前回よりも応札の枠が増えた参加者が以前の限度額を
超えて応札額を入力しても、エラーが表示される状態だったという。

応札限度額など入札に関する情報は、事前に財務省から
通知されるが、それ自体に間違いはなかったという。

応札限度額は日銀の担当者がシステムに手入力し、
その他の情報も含めて3人態勢で厳重にチェックする。

それにもかかわらず、今回のような事態が発生したことについて、
杉浦課長は「国債入札は非常に重要な事務と重々認識している」
とした上で、「複数の確認態勢を含めて踏み込んで精査し、
全力を尽くして再発防止策を考えていく」としている。

日銀では可及的速やかに再発防止策を策定し、財務省に報告、
市場への影響も踏まえて公表も検討する。

日銀によると、過去の国債入札のトラブルでは、
2008年12月に流動性供給入札において、
システム運用の問題で入札日が
延期されたことがあった、という。