消費増税法案への賛成という合意形成には至らず＝野田首相

野田佳彦首相は30日、小沢一郎元民主党代表と会談し、
消費増税法案への協力を要請したが、「（会談では）
法案に賛成いただくという合意形成には至っていない」と述べ、
消費増税関連法案成立への協力を得られなかったことを明らかにした。
小沢氏との会談後、記者団に述べた。

野田首相は社会保障と税の一体改革は待ったなしの課題であり、
今国会での成立を目指したいとして、小沢氏に協力を要請した。

これに対して小沢氏からは、地域主権や行政改革、社会保障の理念、
経済再生の３点でまだやるべきことがあるとの指摘があったという。

野田首相は地域主権や社会保障の充実への取り組みを説明、
経済の再生についても、消費税を上げるときには経済を
好転させる努力を懸命にやっている、と説明した。

議論は平行線になったのかとの質問に野田首相は
「合意形成というのは法案に賛成していただける
ということだと思うが、そこには至っていない」とした上で、
「（小沢氏が）どういう問題意識を持っているかは
よくわかった」と語った。

再会談について、野田首相は「きょうはかなり率直な
天下国家の議論ができた。そのことをもう１回反すう
しながらどうするか考えたい」と述べた。

また首相は、小沢氏が消費税引き上げ自体に
反対ではないと言っていたことを明らかにし、
違いは時間軸だとの認識を示した。

首相は「私は待ったなしという時間軸だが、
小沢氏はもう少し行革や経済再生をやり遂げた後の
消費税（引き上げ）という時間軸だ」と語った。

小沢氏の賛成が得られなくても法案の採決を行うかとの質問には
「基本的には賛成いただきたい」と答えるにとどめた。