イタリア、最大20億ユーロのモンテパスキ銀支援を承認

イタリア政府は、国内第3位の
モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行(MPS)に対し、
最大20億ユーロの支援を提供することを承認した。

モンテパスキ銀が支援を
受けるのは過去3年で2度目。

支援は債券の引き受けを通じて実施され、
モンテパスキ銀の資本増強を後押しする。

同行は昨年末、欧州銀行監督機構(EBA)から
33億ユーロの資本不足を指摘されており、
資本管理や資産売却などを通じて資本の積み増しに
取り組んできたが、なお推定13億〜17億ユーロ程度が不足している。

イタリア政府は、モンテパスキが発行する特別債券を
最大20億ユーロ引き受け、資本増強を支援する。

同行は2009年にも世界的な金融危機のあおりで
「トレモンティ債」と言われる同様の債券を発行している。

モンテパスキ銀はイタリア国債を250億ユーロ程度保有しており、
イタリア国債価格の下落を受けて、他行よりも
大きな打撃を受けているとされる。

ただ銀行アナリストは、今回のモンテパスキ銀支援を受けて、
イタリアが銀行セクター救済に向けて支援要請を行った
スペインと同じ運命をたどるとはみていない。

インテサ・サンパオロやウニクレディトなど
他の伊銀大手は、自力で資本増強を行っている。

バンク・オブ・アメリカメリルリンチのアナリストは
ノートで「これらの措置はモンテパスキ銀向けのようで、
他のイタリア銀にも広がるとは予想していない」と指摘した。