ECB政策金利、1.00%下回ることは可能=プラート専務理事

欧州中央銀行(ECB)のプラート専務理事は、ECBの主要政策金利
1.00%を下回ることはできないとの決まりはないとの考えを示した。

早ければ来週の理事会でECBがユーロ圏債務危機対策の
一助として利下げに動くとの観測が高まっている。

同専務理事は28日付のドイツ語版フィナンシャル・タイムズ
(FT)紙に掲載されるインタビュー記事のなかで、「金利
1%を下回ることはできないとの決まりはない」とし、
「中期的な物価安定が保証される場合、(利下げは)
正当化される」との立場を示した。

ECBの政策金利をめぐっては、クーレ専務理事が前週、
利下げは次回理事会で協議される選択肢の1つになると
述べたばかり。

ECBは主要政策金利であるリファイナンス金利を、
前年12月以来、過去最低水準となる1.00%に据え置いている。

ドラギ総裁は今月初め、市場の機能が低下しているため、
利下げによる影響は限られるとの見方を示しており、
アナリストの間でもECBが政策金利を、現在の
過去最低水準からさらに引き下げることは
しないとの見方が大勢だった。

プラート専務理事は、利下げ効果への過度な期待を
けん制しながらも、「利下げは限定的ではあるものの、
常に影響はある」との立場を示した。

ECBが利下げを決定した場合、最も重要になるのが、
資金供給オペを通して銀行に供給した資金の金利の低下だ。

ECBはこれまでに実施した2回の長期資金供給オペ
(LTRO)で総額1兆0200億ユーロの資金を供給。

特にスペイン、イタリア、フランス各国の
銀行への供給額が多かった。

銀行がこの資金に対して支払う利子は年間102億ユーロと
なっているが、ECBが主要政策金利を25bp引き下げた場合、
年間の利払い額は25億ユーロ減少する。

ただECB内には、利下げがユーロ圏債務危機
解決につながるとは限らないとの見方もある。

ECB理事会メンバーのボニチ・マルタ中銀総裁は26日、
ECBの追加利下げが経済にもたらす効果は限定的とし、
金融政策のみではソブリン債危機を解決できないと
けん制している。