ブラジルが新たな景気刺激策発表、企業向け貸出金利引き下げなど

ブラジル政府は27日、低迷する経済を刺激するため、
政府による支出拡大や企業向け貸出金利の引き下げなどを
盛り込んだ新たな措置を発表した。

ルセフ大統領は、新たな対策発表に際して「ブラジルは生産や
雇用を守るために必要なあらゆる措置を講じる。われわれは
成長を維持する道を見つけ出すリソースを持っている」と述べた。

この日発表された措置には、政府による購入額を
66億レアル(32億ドル)拡大することや、
国営ブラジル経済社会開発銀行(BNDES)が
企業に貸し出す金利の引き下げが含まれている。

ブラジルではBNDESが国内の大企業から中小企業まで
多くの企業に市場金利を下回る金利で資金を貸し出しており、
ブラジルの企業にとって主な資金調達先となっている。

BNDESは財務省から無リスクで資金調達できるため、
補助金」付きの資金を国内企業に貸し出すことができる。

今回発表された措置では、BNDESによる
長期貸出金利を6%から5.5%に引き下げる計画。

政府による購入拡大に関しては、政府がバスやトラック、
救急車、ブルドーザーなどあらゆる物品の購入を
拡大する予定。

マンテガ財務相は、長期貸出金利(TJLP)の引き下げは、
ブラジルの金利が全般的に引き続き低下することを
示す兆しだと指摘した。

ブラジルの政策金利(Selic)は現在、過去最低の
8.5%となっているが、インフレの鈍化に伴い、
今後さらに引き下げられるとみられる。

ブラジルでは第1・四半期の国内総生産GDP)成長率が
前期比0.2%と低迷しているため、ルセフ政権は景気を
後押しするため、最近になって一連の景気刺激策や
税制優遇措置を打ち出している。