政府のデフレ脱却会議報告、円高へのけん制トーン強める

政府のデフレ脱却等経済状況検討会議は10日、
デフレ脱却への処方せんを示した第1次報告をまとめ、
為替相場について「急速な円高の進行など為替市場の
過度な変動は、経済・金融の安定に悪影響を
及ぼすものであり、引き続き、緊張感を持って
市場の動向を注視し、必要な時には
断固たる措置をとる」と明記した。

事前の調整段階よりも円高けん制トーンを強めており、
内閣府幹部によると、出席した民主党
直嶋正行成長戦略・経済対策PT座長の意向を
踏まえて修正した。

1次報告は政府が近くとりまとめる
日本再生戦略に反映される。

このうち為替相場への言及は、事前の調整段階で
「為替市場の過度な変動は、経済・金融の安定に
悪影響を及ぼすものであり、引き続き、緊張感を
持って市場の動向を注視し、適時適切に対応する」
とされていた。

とりまとめでは、「適時適切に対応する」が
「必要な時には断固たる措置をとる」に修正され、
為替市場介入も辞さない構えを強調する内容となった。

内閣府幹部によると、為替に関する文言の
修正は直嶋氏の意向を踏まえたもの。

同氏は、デフレの一因にもなっている円高への
対応の重要性を指摘し、「今の円高は行き過ぎ」との
認識を示すとともに、当初案の修正を求めたという。

また、内閣府幹部によると、会議に出席した白川方明総裁は、
1次報告のとりまとめを踏まえ、「日銀としてもデフレ脱却に
向けてゼロ金利政策や資産の買い入れなど
強力な金融緩和を推進している」と表明。

このうち基金による金融資産の買い入れは、
来年6月末までに70兆円に積み増していく計画で、
白川総裁は今後も着実に資産買い入れを進めることで
「金融緩和の効果はさらに強まっていく」と説明した。

また、デフレ脱却には「金融緩和と同時に様々な
経済主体による努力が不可欠」と述べるとともに、
物価情勢について「足元では需給ギャップが縮小し、
物価の下落幅は相応に改善している。こうした事実の
認識をきちんと発信していくことも大事だ」
との認識を示した、という。