景気判断10カ月ぶり下方修正=8月の月例経済報告

政府は28日に発表した8月の月例経済報告で、
足元の景気について「このところ一部に弱い動きが
みられる」とし判断を2011年10月以来10カ月ぶりに引き下げた。

「復興需要などを背景に、緩やかに回復しつつある」との判断は
据え置いたものの、アジア向けを中心に輸出が弱含んでいる上、
個人消費も改善が一服しているためだ。

先行きも「当面、世界景気減速の影響を受ける」として
輸出減速による景気下押しへの警戒度合いを高めている。

主要6項目中、個人消費や輸出など5項目で判断を
下方修正し、雇用情勢1項目のみを上方修正した。

個人消費は6月の消費総合指数が前月比で減少しており、
「緩やかに増加」としていた前月の判断を「増加傾向」と弱め、
10カ月ぶりに下方修正した。

輸出は中国向け一般機械や建設機械、自動車、鉄鋼などを
中心に「弱含んでいる」ため7カ月ぶりに下方修正。

輸出弱含みで生産の判断も10カ月ぶりに引き下げた。

宅建設は労働者不足を理由としつつ6カ月ぶりに下方修正した。

一方、雇用情勢は完全失業率低下や有効求人倍率上昇など
「改善の動きがみられる」とし、3カ月ぶりに判断を引き上げた。

国内景気の先行きは「回復の動きが続くと期待される」としたが、
「回復の動きが確かなものとなる」としていた前月よりも判断を弱めた。

現在景気のけん引役である消費については、エコカー補助金の反動減を
警戒するものの、7月は気温上昇で6月よりも改善すると期待する。

先行きの下振れリスクとして「世界景気のさらなる下振れや
金融資本市場の変調」を指摘、前月よりも警戒度合いを高めた。

中国は政策効果発現の遅れを懸念するが
緩やかに回復するとみている。