独首相・IMF・OECD、成長支援への改革必要性で一致

メルケル独首相、ラガルド国際通貨基金IMF)専務理事、
グリア経済協力開発機構OECD)事務総長は30日、
ベルリンで会談し、世界経済の回復は不透明で、
成長押し上げには構造改革などが必要との見解で一致した。

会談後に発表した共同声明は「緩やかな成長見通しと
強い不透明性のために、金融市場、投資家、消費者の
信頼は依然危機前の水準に戻っていない」と指摘した。

ユーロ圏諸国に対し改革を通じて成長押し上げと
競争力向上に取り組むよう求める一方、
米国については、財政再建に向け説得力のある
計画を示す必要があるとの認識を示した。

一部ユーロ加盟国の競争力向上と財政赤字削減に
向けた努力を歓迎した上で、「若者の雇用創出、
構造改革、効果的な社会的保護システムの構築を
推進していくことが、とりわけ喫緊の課題」と強調した。

また、世界経済を刺激するには貿易の
自由化が重要との認識を示した。

ラガルド専務理事は共同会見で、主要国は
「賢明なペースで」財政再建に向けた努力を
続ける必要があると言明。

新興国に対しては、各国の経済成長に応じて、
金融・財政引締めを緩和するよう求めた。

先進国は財政再建努力継続を=IMF専務理事
国際通貨基金IMF)のラガルド専務理事は30日、
先進国は長期的な財政立て直しへの取り組みを
継続すべきとする一方、新興国は景気減速の
下支えに向けて、財政・金融政策を緩和する
必要があるとの認識を示した。

専務理事はこの日、ベルリンでメルケル独首相や
世界銀行世界貿易機関WTO)を含む
国際機関のトップと会談した。

専務理事は会談後、先進国は「債務問題に長期的に
対応するため、適切なペースで財政再建に引き続き
取り組む必要がある」と述べた。

先進国は「小幅な成長を通じて」金融危機から
脱却する半面、世界経済の成長により貢献してきた
新興国も現在では、景気減速の影響を受けているとした。

その上で新興国は、成長支援に向けて「金融・財政
引き締めを緩めるべき」との考えを示した。