フランス、改革停滞なら一段の格下げ=ムーディーズ-

格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスのアナリストは、
フランス政府が発表済みの改革を実行に移さなかった場合、同国の格付けを
さらに引き下げると述べた。

同社は19日、フランスの政府債格付けを
最上級の「Aaa」から「Aa1」に1段階引き下げた。

同社のフランス国債格付け担当リードアナリスト、
Dietmar Hornung氏は「フランス経済がさらに大幅に
悪化した場合、もしくは発表された改革の実行に困難が
生じた場合は、さらに格下げする」と述べた。

Hornung氏はフランスと南欧諸国の経済・金融面での
強い結び付きを特に考慮すると、フランスはユーロ圏
危機による外的な衝撃に対して依然ぜい弱だと指摘した。

ユーロ圏債務危機による経済及び金融面での相当な衝撃が
加われば、フランスの格付けが下押し圧力にさらされると指摘した。

同氏は、300億ユーロの財政赤字削減策を含む
フランスの2013年予算と、企業の労働コスト低減を
目指して今月に発表された産業競争力強化策について、
重要な進歩だと評価。

これらにより、格下げの幅はわずか
1段階にとどまったと明らかにした。

Hornung氏は、2013年予算と中期的な予算計画が、
過度に楽観的な成長予測に基づいていると考えている、
と述べた。