25日にスペイン・カタルーニャ州選挙、分離・独立が争点

スペインのカタルーニャ自治州は25日、州議会選挙を実施する。

世論調査によると、市民の大半は分離・独立派の政党を
支持する見通しで、そうなれば新指導者は独立を問う
国民投票の実施に踏み切ることが可能になる。

カタルーニャがスペイン全体に占める経済規模は大きく、
カタルーニャの独立機運の高まりは、スペイン債務危機
取り組むラホイ首相にとっては大きな脅威だ。

カタルーニャ州市民は最近まで、スペインに
とどまりながら自治権の強化を模索していた。

ところが債務危機のあおりでスペインがリセッション
(景気後退)に陥る中、カタルーニャ市民の間では
同州の税金が不当に使われているとの不満が高まっている。

ドイツがギリシャなど南欧諸国への支援に
反発しているように、カタルーニャ市民の多くは
同州の税金が中央政府を通じて財政状況が
より困難な他の自治州へと回っているとみている。

選挙で再選が見込まれているカタルーニャのマス首相は、
9月に発生した独立を求める大規模デモを受け、独立支持に転向。
4年以内の国民投票実施を公約に掲げる。

首相は週末、スペイン政府の影響を受ける「最後の首相に
なることを望む」とし、次期政権下では「スペイン政府が
カタルーニャ州を滅ぼすことはもはやできない」と訴えた。

これに対し、ラホイ首相はカタルーニャ州市民に対し、
長い月日を要する欧州連合EU)加盟への再申請が
必要になるなどと主張。

国民党候補の応援に駆けつけた応援演説では
「行き先のない片道切符は買うな」と警告している。

分離・独立推進派は、国民投票で圧倒的な支持を集めれば、
スペイン中央政府憲法改正を余儀なくされるとし、
EUカタルーニャ州の自決を尊重せざるを得ないとみている。

仮に独立した場合、カタルーニャ州は通貨ユーロを
維持することはできても、早期に欧州中央銀行(ECB)に
代表を送り込むことはおそらく不可能な見通し。

こうしたことから、エコノミストは分離・独立による
短期的な経済的損失は極めて大きいと指摘している。

カタルーニャ市民には、独立に懐疑的な見方もある。

ある企業幹部は、州内の大企業は分離・独立に
関する見解を伏せていると明かした。

支持すれば、他州の顧客からの反発を招く一方、
反対を声高に唱えればカタルーニャでの業績が
圧迫される恐れがあるためだという。