英中銀の追加刺激策、インフレ招かずに成長支援できず=委員

イングランド銀行(英中央銀行)のウィール金融政策委員は、
英国の生産性が低迷していることは、中銀が追加刺激策を
導入しても、物価上昇を招かずに経済成長を後押しすることは
できないことを示しているとの考えを明らかにした。

英中銀は、ウィール委員が21日に
マンチェスター大学で行う講演の原稿を20日に公表。

同委員はそのなかで、「追加刺激策は、それに見合う程度に
生産性を向上させることなく、インフレを加速させると
分析している」とした。

英中銀は今月の金融政策委員会で政策金利
過去最低の0.5%に据え置くとともに、
資産買い入れプログラムの規模も
3750億ポンドに据え置いた。

キング総裁は前週、資産買い入れプログラムの規模を
据え置いたことについて、インフレ見通しが目標を
上回って推移していることが背景にあったと説明している。

英国立統計局の発表によると、英国の10月の
消費者物価指数(CPI)は前年比2.7%上昇。

大学の授業料など教育費や食料費の上昇を反映し、
5月以来の大幅な伸びを示した。

ウィール委員はこれについて「歓迎せざるサプライズ」だったとし、
消費者の購買力が低下していることで、教育費や食料費以外の価格は
低下しないとの見方を示した。

一方、生産性が低迷するなか賃金が上昇した場合、
インフレが加速する恐れがあるとの懸念を示した。