国際金融協会、ギリシャのさらなる債務再編計画に懸念表明

国際金融協会(IIF)のトラン副専務理事は20日
民間債権者が保有するギリシャ債を対象とした
債務再編計画が新たに実施されれば、ユーロ圏の
信認を損なうリスクがあると指摘した。

IIFは、今年に入って実施されたギリシャ
債務減免協議で民間債権者側の代表を務めた。

トラン副専務理事は民間部門がさらに債務を
肩代わりすることになれば、投資家の心象を悪くし、
ギリシャが将来的に市場から資金を調達する機会が
つぶれる可能性があると指摘した。

トラン副専務理事は債務再編は一度だけで、繰り返されないと
投資家にはっきり説明されたとし、もし債務再編が再び実施されれば、
彼ら自身の信認がリスクにさらされることになると強調した。

20日に行われたユーロ圏財務相会合で協議された提案は
3月に行われた約75%のヘアカット(債務減免)とは
幾分か異なるが、いずれにせよ債務の再編が含まれることになる。

ロイターが入手した計画案には、ギリシャが民間債権者から
ギリシャ債を1ユーロ当たり約30セントで買い戻すことが
含まれている。

償還期間によって異なるがギリシャ債は現在、
1ユーロ当たり20〜30セントで取引されている。

ギリシャが抱える3400億ユーロのソブリン債のうち、
民間の保有分は約600億ユーロ。

当局者がロイターに明らかにしたところでは、買い戻しは
600億ユーロのうち300億〜400億ユーロ分をカバーする可能性がある。

価格によっては、ギリシャの債務が200億ユーロ分圧縮される計算だ。

トラン副専務理事はそのような案に批判的な立場を取っており、
「先に実施された前代未聞の債務減免の後でも、民間部門を
資金調達源とみる当局者の姿勢は投資家の心象を悪くする」とし、
将来的にギリシャが借り入れを行うチャンスをつぶすとした。

トラン副専務理事は、少数の反対者も受け入れざるを
得なくなる集団行動条項(CAC)の発動を通じて
民間の投資家にギリシャ債務のそのようなディスカウントを
迫ることは、問題を悪化させるとした。

現時点では計画案にCACの発動が伴うかは触れられていない。