アスムセンECB専務理事、ギリシャ支援めぐりドイツに譲歩求める

欧州中央銀行(ECB)のアスムセン専務理事は22日、
自身の出身国ドイツに対し、ギリシャ支援をめぐり
歩み寄るよう促した。

国際通貨基金IMF)などは、ギリシャ債務削減には
公的部門による債務元本の減免(ヘアカット)が必要との
立場を示しているが、ドイツはこれに強く反発している。

アスムセン専務理事は「公的債権者のヘアカット回避を望み、
ヘアカットを超えてはいけない一線と捉える者は、他の問題に
取り組む用意がなければならない」と指摘。

「皆が動く意思を示す必要がある。それが、26日に成果を
出すための唯一の道だからだ」と述べた。
独紙パッサウアー・ノイエ・プレッセが伝えた。

一方、ショイブレ独財務相はこの日、公的部門による
ヘアカットは間違いであり、違法との考えを改めて示した。

ただ関係筋2人が明らかにしたところによると、
ギリシャ次回融資の承認が見送られた20日
ユーロ圏財務相会合に先立ちパリで19日行われた会合で、
ショイブレ財務相は「何らかの『条件付きの債務減免』が
必要なのは理解している」と発言。
より柔軟な姿勢を示唆したという。

ただその後、ショイブレ財務相
発言の撤回を迫られたとされる。
財務省はこの件に関し、コメントを拒否した。

ギリシャの債務減免をめぐっては、バイトマン独連銀総裁が前週、
改革断行の見返りとして、将来の債務減免に含みを持たせる発言を
行っており、関係筋によると、ショイブレ財務相
このバイトマン総裁の発言に言及した。

イトマン総裁は「ヘアカットの必要性が
生じるかは議論の余地がある」と指摘。

ただ実施されたとしても2015年か
それ以降との見方を示唆したとされる。

これは2013年9月に実施される
ドイツ総選挙後のタイミングとなる。

また欧州委員会のレーン委員(経済・通貨問題担当)も
この日欧州議会で、ギリシャ財政再建に取り組めば、
債務の持続可能性は数年後に再度見直される可能性が
あるとの考えを示している。

一方、関係筋によると、ギリシャ支援をめぐり、
ユーロ圏諸国はそれぞれ異なる方法で支援を
提供する方策についても協議している。

域内の支援提供国の間で、意見調整が
いかに難しいかを物語っている。