英銀行規制改革構想、対象の高リスク取引明確に定義を=中銀総裁

イングランド銀行(英中銀)のキング総裁は22日、
議会で金融規制改革に関して証言し、リテール部門と
投資銀行部門の分離(リングフェンス)構想について、
関連法案の策定にあたっては分離の対象となる
高リスク取引について明確に定義するよう要請した。

総裁は「規制当局の裁量にすべて任せることは間違いだ。
銀行のロビー活動による圧力が高まる」と指摘。

将来的に銀行に再交渉の余地を残せば、再び納税者が
銀行救済を余儀なくされる事態に陥る可能性がある
との見方を示した。

英中銀は来年から、金融サービス機構
(FSA)に代わり銀行監督も担当する。

リングフェンス構想をめぐっては、高リスク取引の
線引きが争点となっており、住宅ローンや
中小企業向け融資、輸出業者向けの為替
デリバティブ取引などは、分離の対象外と
すべきとの指摘が上がっている。

キング総裁は現時点で、分離された銀行がデリバティブ商品を
取り扱うことに反対と述べた。

また融資先としての中小企業の定義が難しいとし、
企業が成長するに伴い取引先銀行の変更を
迫られないよう、分離されていない銀行と
大半の取引を行うことが望ましいとしている。

また銀行の株主は投資銀行業務への
投資に消極的になっていると指摘。

こうした状況は経営陣にとり、投資銀行業務から離れ、
よりリスクの低い取引を行う誘因となっていると述べた。