米デトロイト市を格下げ、デフォルトの可能性高まる=ムーディーズ

米大手格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは28日、
すでにジャンク(投機的)等級になっている米デトロイト市の
債務格付けをさらに引き下げた。

その上で、債務不履行(デフォルト)や、
破綻申請の可能性が高まった、と警告した。

ムーディーズは今年6月、デトロイト市を
格下げ方向で見直すことを明らかにしていた。

今回の格下げ後も、見通しは
「ネガティブ(弱含み)」とした。

ムーディーズは「同市が今後1〜2年以内に破綻申請、
もしくはデフォルトとなる可能性が高まった」
との認識を示している。

ムーディーズはまた、ミシガン州による
同市財政の監督が弱まったことを指摘した。

同州では今月の投票の結果、財政難に陥った地方政府を
支援する州の権限を強化する2011年の法律が、
廃止となっている。

ムーディーズは、デトロイト市を格下げとした
別の理由として「財政の安定化に必要な改革を、
相変わらず実行できないこと」を指摘した。

ムーディーズは今回、税収など一般歳入を償還財源とする
一般財源債(ジェネラル・オブリゲーション=GO)」のうち、
税率を無制限に引き上げても返済財源を確保しなければならない
GOの格付けを「B3」から「CAA1」、税率引き上げに限度のある
GOの格付けを「CAA1」から「CAA2」に引き下げた。

また、同市の上下水道の収入を裏付けとする
債券の格付けも引き下げた。

ムーディーズの広報担当者は、格下げの影響を受けるのは
発行済み債券82億ドル、としている。