仏政府、自己勘定取引の分離盛る銀行改革案発表

フランスは19日、銀行の投機的活動抑制を
目指した改革案の内容を明らかにした。

自己勘定取引の分離などを盛り込んだが、投資銀行業務の
大半が影響を免れる公算で、オランド大統領が選挙戦から
掲げてきた銀行に対する強硬姿勢が鈍ったとの批判も出ている。

改革案では、銀行に対し2015年までに自己勘定取引を
別の事業体に分離することを求めている。

一方、マーケットメークやヘッジ、プライベートエクイティ
ファイナンスなどは本体にとどめ、監督を強化するとした。

分離された事業体は超高速取引や
商品デリバティブ取引を禁止される。

経営が悪化した銀行の救済や預金保証を目的とした
基金の創設や、法令執行の厳格化、消費者保護の
強化なども盛り込んだ。

モスコビシ経済・財務相は記者会見で、仏大手銀行が
資本市場から得る収入のうち10%が改革によって
影響を受けるとの試算を示した。

改革をめぐり仏銀からは、商業銀行と投資銀行の業務を分離し、
「ユニバーサルバンク」のモデルを壊せば、仏経済が脅かされる
との声が上がっていた。

改革案に批判的な向きは、仏政府案では自己勘定取引の
定義が非常に狭く、大規模なデリバティブポートフォリオ
投資目的会社への資金供給など、銀行が抱えるリスクの多くが
手付かずだとしている。